これから

コレクション展 2024-Ⅰ
ハイライト+ リレーションズ[ゲストアーティスト:手嶋勇気]

2024年4月27日(土) — 8月12日(月・休日)

手嶋勇気《AID#60》2022、作家蔵 Photo: Kensuke Hashimoto

本展では、当館コレクションの特質に親しんでいただくとともに、関連するテーマに沿った内容の展示を合わせて紹介します。第1室から第3室にかけては「ハイライト」として、それぞれの部屋に添えられたキーワードを通して収蔵作品をご覧いただきます。そして、第4室では「リレーションズ」と題して、展示内容をコレクションに限定せず、当館の収集方針や収集された作品、あるいは、広島という地域などと関連した、コレクション展示の延長線上に位置づけられる企画を実施していきます。今回は、ユニークな手法で広島の風景を描く画家、手嶋勇気をゲストアーティストに迎え、広島の風景をもとにした作品を紹介します。

ハイライト

◯環境と人

自然環境と人間との関係をテーマとする表現はさまざまな形で試みられ てきました。なかでも、アメリカの作家ロバート・スミッソンは1969年、ユタ州のグレートソルト湖に6000トンもの土砂と岩石を用いて、渦巻き状にのびる土塁をつくり、《スパイラル・ ジェティー》(らせんの突堤)と名付けまし た。こうした自然環境を舞台に広大なスケールで展開された表現は「ランドアート」という潮流を生み出します。そして、それらの作品は後続する世代のアーティストに大きな影害を与えました。ここでは、スミッソンによる 映像のほか、広く環境への関心や人間との関係を、さらには、環境問題と密接に結びつく核兵器をテーマとした作品を紹介します。

◯作家とスタイル

作家たちは、それぞれの探究をとおして自身の世界を創り上げていき、そうした中で独自の表現スタイルをつかみ取っていきます。その特徴のあり方はそれぞれですし、様々なスタイルを変転させていく例もみられます。そんななか、ひと目見てその作家のものと分かるような外見上の特徴や、独自の制作手法や作品作りのシステムを備えたスタイルに辿り着いた作家たちもいます。ここでは、とりわけ作風が分かりやすい形で表れている作品をご覧いただきます。

◯広島/ヒロシマ

広島は原爆被害を経験した街です。そうした歴史的特質を意識して語られる際、しばしば「ヒロシマ」とカタカナで表記されます。当館の収集方針のひとつに「『ヒロシマ』と現代美術の関係を示す表現」があり、「ヒロシマ」をテーマとした制作委託による収集も行ってきました。ここでは、広島/ヒロシマという地域性に関連づけながら生み出された作品を中心に紹介しています。また、本コーナーの作品選定には、「リレーションズ」コーナーの ゲストア ーティスト、手嶋勇気も参加しました。彼がとりわけ関心と愛着を抱くのは、広島の地域に根ざした活動を展開し、風景を描いた画家や、野外の表現活動によって街の景観に積極的に働きかけた作家たちです。


出品作家(※展示予定順)

岡本太郎、奈良美智、会田誠、村上隆、ロバート・スミッソン、蔡國強、デヴィッド・ナッシュ、横山奈美、森村泰昌、シンディ・シャーマン、横溝静、やなぎみわ、金氏徹平、宇治山哲平、磯辺行久、赤瀬川原平、千円札事件懇談会、草間彌生、井上武吉、吉村益信(前期:–6/16)、杉本博司(後期:6/18–)、山路商、灰谷正夫、殿敷侃、入野忠芳、宮崎進、若林奮、宇佐美圭司、牛嶋均、ナイジェル・ホール、ボイルファミリー、ロジャー・アックリング

リレーションズ

ゲストアーティスト:手嶋勇気

2022年12月から翌年2月にかけて、平和大通り沿いに位置するヱビデンギャラリーで開催した「手嶋勇気:ひろしまスケッチvol.3」(主催:広島市現代美術館)で《AID#60》が発表されました。本作は、広島の風景の断片をスマートフォンのドローイング用アプリで描きとめ、それらを反復や再配置することで新たな景色を構成し、できあがったデジタル画像をキャンバスに絵具で描き直したものです。それは、大通りに面したガラス張りの展示空間や幅7メートルにおよぶスケールによって、新たな風景を作り出す試みともなりました。本作を含む同シリーズの旧作、新作をあわせて紹介し、作家の一連のプロジェクトの流れを辿るとともに、当館コレクションにみる、これまでに描かれてきた「広島の眺め」とのつながりをご覧いただきます。

岡本太郎《明日の神話》1号原画、1967
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団寄託

横山奈美《女神になりたい女について》2016、個人蔵・寄託

牛嶋均《人智の研究 ver.5 ゲンバクドーム》2008

手嶋勇気《AID#60》2022、作家蔵
Photo: Kensuke Hashimoto

手嶋勇気《AID#1》2019、個人蔵
Photo: Nozomi Tomoeda
Courtesy of Art Gallery Miyauchi

基本情報

会期
2024年4月27日(土) — 8月12日(月・休日)
開館時間
10:00–17:00

※入場は閉館の30分前まで

会場
広島市現代美術館 A展示室
休館日
月曜日 ※月曜日が祝休日にあたる場合は開館、翌平日休館
観覧料
一般350(250)円、大学生250(150)円、高校生・65歳以上150(100)円、中学生以下無料 ※( )内は30名以上の団体料金
割引
【開館35周年記念日】
5月3日:全館無料
【ハロー!コレクションデー】
毎月第3日曜日:コレクション展無料

ゲストアーティスト・プロフィール

Photo: Kensuke Hashimoto

手嶋勇気(てじま・ゆうき)

1989年、北海道生まれ。2014年、広島市立大学大学院芸術学研究科修了。主な題材として広島の風景を描く作品は、戦後広島の画家たちが街並みをたくさんスケッチした事実を下敷きに、作家自身がその土地の歴史や営みとどう関わるのかを模索する試みである。主な個展に「ひろしまスケッチ vol.2」(EUREKA [福岡]、2022)、「ひろしまスケッチ」(Gallery G [広島]、2020)など。主なグループ展に「VOCA展2022」(上野の森美術館 [東京]、2022)、「シェル美術賞展2020」(国立新美術館 [東京]、2020)など。

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