ビデオアートプログラムA第66回:タビタ・リザイレ

上映作品について

タビタ・リザイレは、テクノロジーのもつ政治性の分析を通じて、映像を媒介とした「脱植民地的癒し」を観る者にもたらそうと試みてきました。リザイレの作品は西洋的な権威に疑問を投げかけるだけでなく、テクノロジーから人々を解放し、スピリチュアリズムによって身体間を接続する試みです。
リザイレは知識を翻案し、観る者と共有することが「癒し」の経験となると考えているため、《プレミアム・コネクト》は綿密な調査に基づいて制作されています。本作では、アフリカの占いで用いられるコードが欧米で開発されたコンピューター・システムの起源であるとする考察が中心に位置づけられており、そこに植物同士が地中組織を介して情報共有しているとする説や、映画『マトリックス』のシーンなどが挿入されます。現在科学や歴史とされているものと、その範疇から逸脱する情報がシームレスに接続され、作品内には完結した知のネットワークが張り巡らされています。リザイレにとって知はまさに解放のための力であり、植民地主義の歴史/物語を、別の広範かつ重層的な物語によって乗り越えようとしているのです。

タビタ・リザイレ

1989年フランス、パリ生まれ、フランス領ギアナ、カイエンヌを拠点に活動している。2007年フランス、パリ=ドフィーヌ大学にて経済学の学士号、2010年イギリス、セント・マーチンズ・カレッジにて映像研究の修士号を取得。ポスト・サイバーフェミニズムやアフロフューチャリズムの旗手として注目を集めている。近年の個展に2018年「Riding Infinity」PSMギャラリー(ベルリン、ドイツ)、「Deep Down Tidal」インタースティシャル・ギャラリー(シアトル、アメリカ)、グループ展に2018年、広州トリエンナーレ(中国)、アテネ・ビエンナーレ(ギリシャ)がある。

上映作品

《プレミアム・コネクト》2017年、カラー、サウンド、13’04”

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