ビデオアートプログラムA第64回:オージック

上映作品について

本作が映し出すのは、高層ビルが立ち並ぶ見慣れた都市風景の中に突如として闖入してきたコンクリートの生きものたち。もともとは人間が住まい、活動するための空間としてつくられていたはずが、やがて自ら分裂と増殖を繰り返し、有機的な身体と化して動き出したようです。黒川紀章をはじめとした建築家たちは1959年、メタボリズム運動を立ち上げました。本作も、その思想の影響を受けていることは間違いありません。しかしこの作品の関心が、あたらしい都市のかたちや未来の人間の生活スタイルにあるわけではないことも明らかです。ここには人間の姿も生活もほとんどありません。オージックは動物と植物が未分化なままの原初的な生命のかたちを、「新陳代謝(メタボリズム)」を繰り返す建物そのものに託しているのです。

オージック(ステファン・ラーション)

オージックはスウェーデン出身の現代美術家ステファン・ラーションが2001年に立ちあげたアートプロジェクトの名称。ラーションは1973年スウェーデン、ソーデルハームン生まれ、滋賀県大津市在住。2005年スウェーデン国立ウメオ美術大学修士号取得。CGを駆使した映像作品の他、写真、絵画、音楽など、多彩な活動を国際的に展開している。近年の個展に2018年「STRP/Emoves, AR Graffiti Solo exhibition」ストレイプ-S(アイントホーフェン、オランダ)、「AUJIK: IMPREMANENCE TRAJECTORY」トゥルク美術館(トゥルク、フィンランド)、グループ展に2018年「BIWAKO ビエンナーレ」近江八幡旧市街(滋賀)がある。

上映作品

《スペーシアル・ボディズ》2016年、カラー、サウンド、4’06”

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