ビデオアートプログラムA第52回 : スヴェン・ヨーネ


上映作品について

スヴェン・ヨーネは1976年、バルト海に浮かぶ旧東ドイツ領、リューゲン島で生まれ育ちました。彼が制作する作品の多くは、東ドイツ時代の事柄に関連しており、地域に伝わる出来事や人物を丹念に調査し表現しています。作品タイトルの《エルメンホルスト》は、東西分裂時、旧東ドイツに属したバルト海に面した街の名前です。古くからリゾート地として賑わっていましたが、対岸に西ドイツ領の島があったため、沢山の人が海を超えて西側に逃げようとし、中には捕らえられたり海中で命を落とした者も多く、重い歴史が残ります。
ドイツが東西統一してから20年以上が経ち、分裂の時代を知らない人も増えました。同胞を監視し、立場によっては処罰もしてきた過去を抱える古い世代の苦悩を、若い世代は理解できるのでしょうか。本作の最後で年少の人物が銃を連射するのは、古い世代の苦しみを払拭しようとしているようにも、思いを引きずる世代への苛立ちを表しているようにも感じられます。

スヴェン・ヨーネ

1976年ドイツ、リューゲン島生まれ、ベルリン在住。2006年ライプツィヒ・グラフィック書籍芸術大学(HGB)視覚芸術学科にてマイスターシューラ―取得。2015年エーディト・ルス・ハウス(オルデンブルグ、ドイツ)での個展「The doubt of the stage prompter」他多数の個展を開催。また、KW(ベルリン、ドイツ)での「Welcome to the Jungle」など、多数のグループ展に参加。

上映作品

《エルメンホルスト》2006年、HDビデオ、カラー、サウンド、6’20”

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