特別展一人快芸術


たとえば、たった一人の人物により50 年以上の歳月を費やして撮りためられた、40 万カットにものぼる街の復興の記録写真。あるいは、大家さん夫婦が自力で作り上げた、地下1 階・地上6 階建ての世界最大級のセルフビルド集合住宅。知的障がいをもつ青年が、日々の繰り返しとして書き綴った膨大な日付の山。
それらは、ことさら芸術作品として作られたり、発表されたりしたものではありません。にもかかわらず、「写真」や「建築」、「日記」などの役割や基準といった枠組みを軽々と超えて、その行為や物に宿る過剰さが多くの人々を惹きつけます。そのような行為をも含めたものとして芸術を捉えた場合、その作品体験とは、いかなる衝撃をもたらしてくれるのでしょうか。

本展覧会は創ること、行為することそのものの楽しみや悦びに裏打ちされた表現に注目し、様々な分野における多彩な活動を紹介するものです。近年アウトサイダーアートとして注目を集める、知的障がい者やアマチュア制作者から、職業的なプロとしてのアーティストの作品まで、19人/組による活動を紹介します。
自己充足の行為という意味合いをもつ造語「一人快芸術」をキーワードに、あらためて創ること、行為することの動機付けについて探ります。既存のシステムから距離を置くことを可能にする態度、そのあらわれとしての芸術が、個人の営みを超えて、私たち観る者にも勇気や自由をもたらしてくれることでしょう。

follow us
facebook
twitter
YouTube
RSS