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特別展
ルイ・ル・ブロッキー展 詩と魂の世界

1991年4月6日(土) — 5月12日(日)

現代アイルランドを代表する画家ルイ・ル・ブロッキーの代表的な作品による日本ではじめての本格的な展覧会を開催いたします。
ル・ブロッキーは、1916年にアイルランドのダブリンに生まれました。画家としては正規の美術教育を受けることなく、ヨーロッパ各地の美術館で過去の巨匠たちの作品に触れながら、独学によって自己の世界を築きあげています。戦後まもなくのあいだは、具象的な大画面を描いていましたが、1950年代後半からは、白を主体とした画面のなかから、人体の一部のイメージが浮かびあがってくるスタイルに転じます。やがて、そこには、人間の頭部が描かれるようになります。最初は無名の原型的なものでしたが、はっきりとした特定のイメージに収歛してゆきます。こうして、ジェイムズ・ジョイス、ウィリアム・バトラー・イェーツ、ガルシア・ロルカ、サミュエル・ベケットなどの文学者、フランシス・べイコン、パブロ・ピカソなどの画家のイメージが描かれることになります。それらの芸術家の多くは、画家自身と同じくアイルランドの出身でした。とはいっても、それは、偏狭な地方主義からほど遠いものなのです。それらの頭部は連作として微妙に変化しながら制作されています。その制作方法そのものが画家の関心の対象を教えています。描かれるべきものは、現代人の魂の深みなのです。
本展は、1957年から現在にいたる作品、油彩・水彩59点、タペストリー4点、全63点によって構成されています。アイルランドの風土に深く根ざしながらも、現代人の存在そのものを重く問いかけるル・ブロッキーの作品群は、多くの方々に鮮烈な感銘をあたえることとおもいます。

基本情報

会期
1991年4月6日(土) — 5月12日(日)
開館時間
10:00–17:00

※入場は閉館の30分前まで

休館日
会期中無休
観覧料
一般720(570)円、大学生410(320)円、小中高生200(160)円 ※( )内は30名以上の団体料金
主催
広島市現代美術館、読売新聞大阪本社、広島テレビ、美術館連絡協議会
後援
アイルランド大使館、広島県、広島県教育委員会
協賛
花王、GPAグループplc.、AIBアライド・アイリッシュ銀行

イベント・カレンダー

開館時間10:00-17:00
TEL082-264-1121