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第1回ヒロシマ賞受賞記念
第1回ヒロシマ賞受賞記念 三宅一生展「TEN SEN MEN」

1990年11月3日(土) — 1月15日(火)

「ヒロシマ賞」は、世界の平和を願う「ヒロシマの心」を現代美術を通じて全世界にアピールすることを目的として平成元年に設置されました。広島市現代美術館では、第一回受賞者に決定した三宅一生の業績を紹介する展覧会「TEN SEN MEN」を開催します。
三宅一生は、70年代・80年代を通してファッションの場で重要な活動を展開し、国際的に注目を集めているデザイナーです。彼は、流行で語られがちな衣服という枠組みを越え、自由な発想で、衣服デザインの世界に強烈なオリジナリティを提示し続けてきました。アクセサリーのかわりに布の動きや表情で衣服の存在の可能性を広げる試み、からだをやさしく抱きしめるような感触を衣服に芽生えさせようとする深い想い。その創造活動の原点には、「常に一般の人々を対象にした表現方法をとってきた」という、人間の生活と幸福に対する問いかけがあり、その深い部分には豊かな人類の未来を希求するあたたかい心が流れています。
本展は、そうした作家の心を「ヒロシマ賞」のメッセージと重ねてみなさまに発信することを基本に、三宅一生の歩みの中から特に「現在」を打ち出した企画となるものです。89年春夏コレクションから最新作である91年春夏のコレクションまでを含めて過去3年間を代表する作品(最近の話題作である一連のプリーツ作品を含む)によって構成されるこの展覧会では、衣服だけではなく光や映像を用いながら、まったく新しいインスタレーションが繰り広げられます。
展覧会のタイトル「TEN SEN MEN」は、作る仕事が「TEN(点)」、衣服を通してのコミュニケーションが「SEN(線)」であり、着る人たちが「MEN(面)」とつながる、または作る側と着る側をつなぐ要素として、TENSION(緊張感)の「TEN」、SENSIBILITY(感性)の「SEN」、さらにMENTALITY(知性)の「MEN」が存在する、という三宅の衣服デザインを貫く想いが表されています。
「子供から大人まで、美術や衣服デザインに関係のない人たちも見て楽しめるような展示にしたい」と三宅自身が本展に託す気持は、作品を通じて観客の心と呼応する。衣服の魅力を五感で感じとりながら、美術や衣服を見る目を広げ、自由にし、豊かにする。私たちにそんなきっかけを芽生えさせてくれる場とも期待される展覧会です。

基本情報

会期
1990年11月3日(土) — 1991年1月15日(火)
開館時間
10:00–17:00

※入場は閉館の30分前まで

休館日
会期中無休
観覧料
一般920(740)円、大学生610(490)円、小中高生300(240)円 ※( )内は30名以上の団体料金
主催
広島市現代美術館、朝日新聞社
後援
広島県、広島県教育委員会、NHK広島放送局、中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島、広島エフエム放送

イベント・カレンダー

開館時間10:00-17:00
TEL082-264-1121