ファッツィーニ展
終了

特別展
ファッツィーニ展

1990年7月7日(土) — 8月19日(日)

広島市現代美術館では、ペリクレ・ファッツィーニの日本で初の回顧展を開催いたします。
ファッツィーニは、マリーニ、マンズーとともにイタリア具象彫刻を代表する作家で、わが国の戦後彫刻の歩みに多大な影響を与えたことでも知られています。

1913年アドリア海に面したグロッタマーレという漁村に家具職人の長男として生まれたファッツィーニは、16歳でローマに出て、本格的に彫刻を学び始めます。やがて多くのコンクールでの受賞を重ね、第二次世界大戦前からその詩情豊かな木彫表現が広く注目を集めるようになりました。
戦後は木彫からブロンズへと素材を変え、ダイナミックな躍動感溢れる独自な造形を展開させていきます。人々は、彼を「風の彫刻家」、「風の詩人」と名付け、アドリア海からの叙情的な風に魅了されたのです。それは、彼の風が運んだものが、古代から脈々と受け継がれてきた地中海芸術の伝統であり、生命の息吹そのものだったからでした。
ファッツィーニは、74歳で亡くなるまで、ヴァチカン謁見の間の壁を飾る大作「復活」をはじめとする教会彫刻、噴水や記念碑などの公共彫刻も数多く手がけ、今でも世界中の人々に親しまれています。

本展は、永年日本での個展を熱望していた作家の遺志を受け、ローマ国立近代美術館の協力を得ながら集めた代表作―彫刻約50点とドローイング約100点―から構成され、ファッツィーニの全貌をご紹介する大回顧展です。
豊かな伝統を眠らせることなく、現代にあざやかに蘇らせたファッツィーニ芸術の真髄を、どうぞお楽しみください。

基本情報

会期
1990年7月7日(土) — 8月19日(日)
開館時間
10:00–19:00

※入場は閉館の30分前まで

休館日
会期中無休
観覧料
一般720(570)円、大学生410(320)円、小中高生200(160)円 ※( )内は30名以上の団体料金
主催
広島市現代美術館、ファッツィーニ展実行委員会、中国新聞社、ローマ国立近代美術館
後援
外務省、文化庁、イタリア大使館、国際交流基金、日伊協会、広島県、広島県教育委員会、広島市教育委員会
協賛
山種産業、吹田貿易

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