Title
ボタン
Artist
浜田知明
Year
1988
Material
エッチング、アクアチント・紙

作品解説

作者は中国に歩兵として出征し、第二次世界大戦終了まで従軍生活を送りました。帰国後は自身の体験をもとに、戦争の不条理さや悲惨さ、人間の暗部を銅版画で表しました。冷戦末期に制作された本作には、順番にボタンを押そうとする三人の人物とキノコ雲が描かれています。一番左にいる人物は、頭に袋のようなものがかぶせられていて、周囲の状況を知るよしもなく、自分が押そうとするボタンが何なのかすら分からない状態でしょう。「ヒロシマ」をテーマとした制作委託である本作には、一部の権力者によって引き起こされる核戦争の構図が暗示されています。

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