本展は、「肖像(わたし)」と題した前半部分の特集展示と、後半部分の「コレクション・ハイライト」により構成されています。
前半の特集「肖像(わたし)」では、現代美術における肖像表現を取り上げます。特定の人物の姿をあらわす肖像作品は古代より世界各地で制作され、時代とともに肖像を通して投げかけられる問題意識も多様化してきました。現代では多彩なメディアと素材で表現される肖像を様々な視点で見直し、現代を生きる私たちが直面するアイデンティティの曖昧さと不確実な「わたし」を考えます。 後半の「コレクション・ハイライト」では、ヒロシマを起点として平和を問う作品を紹介します。当館は被爆都市・広島の美術館として、「ヒロシマと現代美術の関連を示す作品」を収集の柱のひとつとしてきました。被爆75年という節目の年に、ヒロシマの惨禍と復興の軌跡、平和への希求といったテーマがどのように美術作品にあらわれてきたかをたどります。
出品作家
●肖像(わたし)
福田繁雄、舟越桂、池田満寿夫、駒井哲郎、ドゥエン・ハンソン、ジュリアン・シュナーベル、チャック・クロース、アレックス・カッツ、都築響一、赤瀬川原平、ハイレッド・センター、秋山祐徳太子、アピチャッポン・ウィーラセタクン、森村泰昌、鷹野隆大、澤田知子、シンディ・シャーマン、アンディ・ウォーホル、太田三郎、諏訪敦、石内都、ディヴィド・ホックニー、河原温、大木裕之、田中功起
●コレクション・ハイライト
ジム・ダイン、浜田知明、靉嘔、土屋公雄、宇佐美圭司、松本旻、アラン・グリーン、殿敷侃、工藤哲巳、村上隆、尹亨根、金光松美、細江英公、土田ヒロミ、山口勝弘、若林奮、アンジェ・レッチア、オノ・ヨーコ、入野忠芳、アンソニー・グリーン、大岩オスカール、ヤノベケンジ、インゴ・ギュンター、岡本太郎、高嶺格、柳幸典、モナ・ハトゥム、キース・ヘリング