作品解説

大学で油彩画を学んだ作者は、ヨーロッパ旅行中のギリシャで出会った古代建造物に影響を受け、1980年代から建築的要素を取り込んだ立体的な作品や、巨大な建造物を思わせるインスタレーションに取り組みました。赤、黄、青などの原色に近い強烈な色彩の斑点が作品全体にちりばめられる点も特徴的です。本作は、当時取り組んでいた「管弦の家」シリーズから派生しました。もとは作品制作時に出る端材だった異なる複数の小さなパーツが、変形パネルの上で組み立てられ、作品として生まれ変わっています。作者はこのシリーズについて時間の「再生」を意識していると語っています。