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オープン・プログラム 上映
デニス・オッペンハイム 映像作品上映

2025年11月18日(火) — 2026年2月1日(日)

「コレクション展2025-Ⅱ」に関連し、同展の出品作家であるデニス・オッペンハイムの映像作品を上映します。同展に出品されている作品は、1960年代終わり、ランド・アートの作品を記録写真と文章で構成する作風を確立した時期に発表されたものですが、じきにその関心は自らの肉体にも向けられるようになります。
今回は、オッペンハイムが70年から71年にかけて撮影した5本の映像をご紹介します。空気圧によって手肌の表面がなびくさまを映す《Air Pressure (Hand)》、爪を研ぎ続ける場面が続く《Nail Sharpening》では、人間の肉体がさまざまに変容するようすが、丹念に観察するかのようなまなざしで捉えられています。《Lead Sink For Sebastian》では、パフォーマーの左脚に固定された小型トーチが、右脚の義足代わりに装着された鉛パイプを溶かしていくさまと、それに伴う姿勢や身体のバランスの変化が映し出されます。これらは、ある種の身体的変容の境界を探究しようとする作家の関心をよくあらわしていると言えるでしょう。人型のジンジャーブレッドを食す《Gingerbread Man》では、その探究の目は体内の消化作用に向けられ、また《Fusion: Tooth And Nail》では、歯と爪を重ね合わせた上から塗料を塗るという、なんとも不可思議な行為を介した実験が繰り広げられています。

 

上映作品

1. 《Air Pressure (Hand)》1971、モノクロ/サイレント、5分25秒
2. 《Lead Sink For Sebastian》1970、カラー/サイレント、4分42秒
3. 《Nail Sharpening》1970、カラー/サイレント、6分02秒
4. 《Gingerbread Man》1970-71、モノクロ/サイレント、8分45秒
5. 《Fusion: Tooth And Nail》1970、カラー/サイレント、12分03秒

デニス・オッペンハイム

1938年、アメリカ、ワシントン州エレクトリック・シティ生まれ。カリフォルニア美術大学卒業後、1966年にニューヨークに居を移し、本格的な美術活動に入る。60年代終わりにはランド・アートの作品を記録写真と文章によって紹介するスタイルを確立。同時に自らの肉体を主題とした写真や映画によるボディ・アートの作品も数多く試みる。70年代にはビデオ・インスタレーション作品を制作。80年代に入ると、彫刻によるインスタレーションに移行し、花火や爆薬を用いたり、あやつり人形を使うなど、凝った演出による作品を発表。90年代以降は、大規模な公共彫刻を手がける。2011年逝去。

基本情報

会期
2025年11月18日(火) — 2026年2月1日(日)
開館時間
10:00—17:00

会場
広島市現代美術館 メディアライブラリー
休館日
月曜日(ただし11/24、1/12は開館)、11/25(火)、年末年始(12/27—1/1)、1/13(火)
観覧料
無料
主催
広島市現代美術館

イベント・カレンダー

開館時間10:00-17:00
TEL082-264-1121