作品解説

作者は、国家や歴史をテーマに、身近な事物を時に素材として、また時には比喩として用いながら、ダイナミックなスケール感やユーモアを湛えた作品を発表してきました。巨大な組み立て前のプラモデルのような佇まいの本作は、フィリピン、カラミアン諸島のコロン島にて撃沈された、大日本帝国海軍の水上機母艦「秋津洲」がモチーフになっており、その名はまた大和国の別称でもありました。作者自らが海底に沈む船体への潜水調査を行い、そのデータをもとに再構成したもので、タイトル「50 I」はその縮尺（50分の1）と素材（鉄：iron）を示しています。