The Prolific World of TOGO MURANOFrom the Memorial Cathedral for World Peace

村野藤吾の建築

世界平和記念聖堂を起点に

2017年5月16日[火]-7月9日[日]

広島市現代美術館

  • 展覧会概要
  • プロフィール
  • 作品紹介
  • 関連プログラム
  • 展覧会カタログ

手前から奥に[左奥]東京都庁計画案[左列]大阪ビルディング八重洲口、読売会館・そごう東京店、千代田生命本社ビル、日本興業銀行本店[中央]宇部市民館、早稲田大学文学部、日本生命日比谷ビル、新高輪プリンスホテル[右列]世界平和記念聖堂、西宮トラピスチヌ修道院、大阪新歌舞伎座(すべて竣工時の名称)
模型はすべて縮尺1/200 制作・所蔵:京都工芸繊維大学木村・松隈研究室 撮影:市川靖史
THE PROLIFIC WORLD OF TOGO MURANO

展覧会概要

OUTLINE

日本を代表する建築家の一人である村野藤吾(1891~1984)は、戦前戦後を通じて関西を中心に活動し、そごう百貨店(1935)、宇部市民館(現 宇部市渡辺翁記念会館)(1937)、大阪新歌舞伎座(1958)、日本生命日比谷ビル(日生劇場)(1963)など数多くの個性豊かな建築を手がけました。
没後10年が経過した1994年、村野の遺族から京都工芸繊維大学美術工芸資料館に5万点を超える設計原図が寄贈されました。同大学建築学研究室と外部研究者で構成された「村野藤吾の設計研究会」によって整理と研究が進められ、その成果はこれまで14回の展覧会で発表されています。建築を志す学生たちが制作した緻密な模型は、まるでその中を歩いているかのように、さらには通常では難しい俯瞰の視点で、村野の建築を全体から細部にわたって体感することができます。
本展覧会では、広島において村野が手がけた世界平和記念聖堂を大きく取りあげます。1954年竣工の代表作であり、この建築で村野は翌年度の日本建築学会賞を受賞しました。2006年には戦後建築物として初めて、国の重要文化財に指定されています。幾多の試行錯誤を物語る、何度もデザインを重ねた聖堂の検討案は展覧会の見どころのひとつです。またこの聖堂に注がれたこだわりは、時間と共に趣を醸し出すファサード、独特の陰影、素材の質感や手触り、和と洋の絶妙な融合、やわらかな曲線の美しさなど随所にあらわれ、それらは晩年に至るまで多様に展開された村野建築の特徴でもありました。村野の感性と経験によって生み出された自由で豊かな世界とその思想を、さまざまな観点から感じとっていただける機会となるでしょう。

会期:
2017年5月16日(火)~7月9日(日)
開館時間:
10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:
月曜日
観覧料:
一般1,030円(820円)、大学生720円(620円)、
高校生・65歳以上510円(410円)、中学生以下無料
※( )内は前売り及び30名以上の団体料金
主催:
広島市現代美術館、中国新聞社
後援:
広島県、広島市教育委員会、
広島エフエム放送、尾道エフエム放送
企画協力:
京都工芸繊維大学美術工芸資料館
村野藤吾の設計研究会、宗教法人カトリック広島司教区
協力:
MURANO design株式会社イデー

プロフィール

PROFILE

写真提供:MURANO design

村野藤吾 (むらの・とうご)

1891年佐賀県東松浦郡(現 唐津市)に生まれ、福岡県八幡市(現 北九州市八幡東区)で育つ。福岡県立小倉工業学校機械科を卒業後、八幡製鐵所に入社。1918年に早稲田大学理工学部(建築学科)卒業後、渡邊節建築事務所に入所し、大阪商船神戸支店、大阪ビルディング本店、綿業会館などの設計に参加した。1929年に独立し、村野建築事務所(1949年村野・森建築事務所と改称)を開設、そごう百貨店(大阪市)、宇部市民館(山口県宇部市、現 宇部市渡辺翁記念会館)などを設計する。戦後は丸栄百貨店(名古屋市)、世界平和記念聖堂(広島市)、日本生命日比谷ビル(東京都千代田区)で日本建築学会賞を受賞。また、1953年には日本芸術院賞を受け、1955年日本芸術院会員となり、1967年文化勲章を受章する。1984年逝去(享年93歳)。古典様式からモダニズム、和風までさまざまな建築様式の手法を取り入れた独自の作風で、300を超える個性豊かな建築を設計した。宇部市渡辺翁記念会館、世界平和記念聖堂、高島屋日本橋店(東京都中央区)は、国の重要文化財に指定されている。また近代建造物として初めて国宝に指定された迎賓館(旧赤坂離宮)の改修も手がけた。

作品紹介

WORKS

世界平和記念聖堂 1954

撮影:市川靖史

建築データ

国指定重要文化財

企画:
フーゴ・ラサール
設計:
村野藤吾(村野・森建築事務所)
構造:
内藤多仲
施工:
清水建設株式会社
定礎式:
1950年8月6日
竣工:
1954年8月6日
所在地:
広島市中区幟町4-42
敷地面積:
約6,450㎡(教会敷地のみ)
構造:
鉄筋コンクリート(RC)造
建築面積:
1,230㎡ 750坪
延床面積:
2,361㎡
全長:
52.50m
全幅:
20.00m
高さ:
天井18.00m、屋根23.00m、ドーム28.00m、塔45.00m(十字架含む56.40m)
工事費:
約1億
1,500万円
外装:
コンクリート打放し、高炉セメント入自家製煉瓦積。窓廻り自家製コンクリートブロック、スチールサッシ打込み
内装:
壁・蛭石入モルタル掻き落とし仕上に色モルタル吹付床・テラゾー現場研ぎ、祭壇廻りは大理石を主とする 天井・不燃板下地、檜小節材、梁形生地仕上

模型データ

制作年:
2006年
制作者:
木村慎司
スケール:
1:200
寸法[縦×横×高/mm]:
597×845×360
所蔵:
京都工芸繊維大学木村・松隈研究室
  • 西側立面図
  • 北側立面図
  • 一階平面図

図版データ提供:公益財団法人 文化財建造物保存技術協会

写真提供:宗教法人カトリック広島司教区

村野藤吾 1928 –1988

1920-1930年代

宇部市民館

模型:2006年|上山勢司|1:200|480×720×175

宇部市民館

現:宇部市渡辺翁記念会館|1937年| 山口県宇部市|宇部興産直営|鉄骨鉄筋コンクリート造| 地下1階・地上3階|3,557㎡|現存

撮影:市川靖史

1940年代

中山半邸

1940年|兵庫県神戸市東灘区|藤木工務店|木造|地上2階|―|現存せず
模型:2004年|後藤涼子|1:100|785×540×160

1950年代

大阪新歌舞伎座

模型:2013年|山根幹子|1:200|603×954×285

大阪新歌舞伎座

1958年|大阪府大阪市中央区|大林組|鉄筋コンクリート造|地下2階・地上5階|11,088㎡|現存せず

撮影:市川靖史

1960年代

日本生命日比谷ビル(日生劇場)

模型:2006年|平井直樹・永田拓章|1:200|450×590×343

日本生命日比谷ビル(日生劇場)

1963年|東京都千代田区|大林組|鉄骨鉄筋コンクリート造|地下5階・地上8階・塔屋3階|42,879㎡|現存

撮影:市川靖史

1960年代

千代田生命本社ビル

模型:2006年|小野直紀|1:200|800×1,080×320

千代田生命本社ビル

現:目黒区総合庁舎|1966年、2003年改修|東京都目黒区|大成建設|鉄骨鉄筋コンクリート造|地下3階・地上6階・塔屋3階(本館)|51,636㎡|現存

撮影:新良太 提供:目黒区美術館

1970年代

日本興業銀行本店

模型:2007年|老松穂波|1:200|650×1,255×450

日本興業銀行本店

現:みずほ銀行本店|1974年|東京都千代田区|大林組|鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造|地下5階・地上15階|75,781㎡|現存

撮影:市川靖史

1970年代

箱根プリンスホテル

模型:2007年|川口智也・橘川雅史・馬場隆行|1:200|785×1,080×245

箱根プリンスホテル

現:ザ・プリンス箱根芦ノ湖|1978年|神奈川県足柄下郡|清水建設|鉄骨鉄筋コンクリート造|地上2階・地下2階・塔屋1階|14,059㎡|現存

撮影:吉田龍彦

1980年代

新高輪プリンスホテル

模型:2007年|坂本貴仁・柴﨑雅也・馬場勝巳|1:200|790×1,000×435

新高輪プリンスホテル

現:グランドプリンスホテル新高輪|1982年|東京都港区|竹中工務店|鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造(大宴会場)|地下3階・地上15階・塔屋3階|74,164㎡|現存
撮影:市川靖史

1980年代

谷村美術館

模型:2007年|奥山百合子|1:50|1,100×1,590×280(2分割)

谷村美術館

1983年|新潟県糸魚川市|谷村建設|鉄筋コンクリート造|地上1階|551㎡|現存

撮影:吉田龍彦

- 建築データ 建築名称 [竣工時、計画案は設計時]( )は呼称、別称など|現在の名称|竣工年、増改築年、計画案は設計年|所在地|施工|構造|規模|延床面積/㎡|現状

- 模型データ 制作年|制作者|スケール|寸法 [縦×横/mm] すべて 所蔵:京都工芸繊維大学木村・松隈研究室 撮影:市川靖史

関連プログラム

PROGRAM

講演と対談「村野藤吾の建築、世界平和記念聖堂を中心に」

2017年5月20日(土)14:00~16:00

講師:
長谷川堯(建築評論家、武蔵野美術大学名誉教授、東京造形大学客員教授)、松隈洋(京都工芸繊維大学教授)
会場:
地下1階ミュージアムスタジオ
定員:
120名(要展覧会チケット・半券可、事前申込不要、当日先着順)

長谷川堯(はせがわ・たかし)

建築評論家、武蔵野美術大学名誉教授、東京造形大学客員教授
1937年生まれ。 1960年、早稲田大学第一文学部卒業。以後、建築評論家として活躍。1977年、武蔵野美術大学に着任。 専門は近代建築史。
主な著書:『神殿か獄舎か』(相模書房 1972)、『都市廻廊 あるいは建築の中世主義』(相模書房 1975)、『建築有情』(中央公論社 1977)、『建築の生と死』(新建築社 1978)、 『日本の建築 明治大正昭和 4 議事堂への系譜』(三省堂 1981)、 『建築逍遥 W.モリスと彼の後継者たち』(平凡社 1990)、『建築の出自 長谷川堯建築家論考集』(鹿島出版会 2008)、 『建築の多感 長谷川堯建築家論考集』(鹿島出版会 2008)、『村野藤吾の建築 昭和・戦前』(鹿島出版会 2011)など。

松隈洋(まつくま・ひろし)

京都工芸繊維大学教授
1957年兵庫県生まれ。1980年京都大学工学部建築学科卒業、前川國男建築設計事務所入所。2000年4月京都工芸繊維大学助教授。2008年10月同教授、現在に至る。工学博士(東京大学)。専門は近代建築史、建築設計論。2013年よりDOCOMOMO Japan 代表。文化庁国立近現代建築資料館運営委員。
主な著書:『近代建築を記憶する』(建築資料研究社 2005)、『坂倉準三とはだれか』(王国社 2011)、『残すべき建築 モダニズム建築は何を求めたのか』(誠文堂新光社 2013)、『モダニズム建築紀行―日本の1960~80年代の建築』(六耀社 2016)、『ル・コルビュジエから遠く離れて――日本の20世紀建築遺産』(みすず書房 2016)、『建築の前夜――前川國男論』(みすず書房 2016)など。


世界平和記念聖堂 内部見学ツアー

2017年6月18日(日)①13:00~14:00 ②15:00~16:00 (受付は開始30分前から)

聖堂の内部を解説とともに見学します。

ナビゲーター:
笠原一人(建築史家、京都工芸繊維大学助教)
場所:
世界平和記念聖堂(広島市中区幟町4-42)
定員:
各回30名(要事前申込、申込多数の場合は抽選)
対象:
小学生以上(小学生は要保護者同伴)
参加費:
無料

お申込みはこちら(締切:5月31日必着)

笠原一人(かさはら・かずと)

建築史家、京都工芸繊維大学助教 
1970年神戸市生まれ。1998年京都工芸繊維大学大学院博士課程修了。2010-11年オランダ・デルフト工科大学客員研究員。博士(学術)。近代建築史・建築保存改修再生論専攻。DCOMOMO Japan幹事。京都工芸繊維大学/大学院・工芸科学研究科助教。共著に『関西のモダニズム建築』(淡交社)、『村野藤吾-建築とインテリア-』(アーキメディア)、『村野藤吾建築案内』(TOTO出版)、『村野藤吾のファサードデザイン』(国書刊行会)ほか。2007年より村野藤吾建築作品見学全国ツアーを10回以上実施している。


学芸員によるギャラリー・トーク

2017年5月21日(日)、6月4日(日)、6月24日(土) 14:00~15:00

本展担当学芸員が展覧会について解説します。
※要展覧会チケット、事前申込不要


アートナビ・ツアー

毎週土曜日、日曜日、祝日 11:00~および14:00~(学芸員によるギャラリー・トーク開催時は除く)

アートナビゲーターが展覧会について解説します。
※要展覧会チケット、事前申込不要


※関連プログラムの予定は変更となる場合があります。

関連展覧会

村野藤吾とクライアントー近鉄の仕事を通して

第14回村野藤吾建築設計図展
村野藤吾とクライアント―近鉄の仕事を通して

開催期間:
2017年3月21日(火) 6月10日(土)
開館時間:
10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:
日曜日、祝日
会場:
京都工芸繊維大学美術工芸資料館
入館料:
一般200円、大学生150円、高校生以下無料
主催:
京都工芸繊維大学美術工芸資料館、村野藤吾の設計研究会

展覧会カタログ

CATALOG

村野藤吾の建築 世界平和記念聖堂を起点に

世界平和記念聖堂に焦点をあてた本展特別編集カタログ。
設計図面や豊富な写真により聖堂を隅々まで紹介します。

価格:1,000円(税込)

ページ数:32ページ

判型:A4変形

デザイン:中野豪雄、川瀬亜美(株式会社中野デザイン事務所)
印刷:株式会社ライブアートブックス
制作・発行:広島市現代美術館

|目次|
ごあいさつ
世界平和記念聖堂の成り立ち
碑文
検討案のためのスケッチ 平面図・立面図
設計図 配置図・平面図・断面図/詳細図・矩計図
ディテール 外壁・鐘塔・鳳凰像/洗礼堂/窓/照明・家具・マンホール
建設中
竣工時の様子 献堂式
世界からの寄贈品
欄間彫刻 七つの秘跡
うけつがれるもの 村野藤吾と世界平和記念聖堂 小島ひろみ(広島市現代美術館学芸員)
世界平和記念聖堂 沿革
世界平和記念聖堂 建築概要
出品リスト
参考文献


村野藤吾の建築 模型が語る豊饒な世界

建築模型を中心に村野の建築世界を紹介する本展関連カタログ。

価格:2,916円(税込)

ページ数:240ページ

判型:B5変形

監修:松隈洋(京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)
編集:笠原一人(京都工芸繊維大学大学院助教)、降旗千賀子(目黒区美術館学芸係長学芸員)、森かおる(青幻舎)
模型写真:市川靖史(京都工芸繊維大学大学院助教)
デザイン:中野豪雄、川瀬亜美、直井薫子、平川響子(株式会社中野デザイン事務所)
発行:青幻舎


期間限定セット販売 
展覧会開催期間中に限り、特別価格で販売します。(2冊セット購入の場合のみ)
2冊揃えて本展内容を完全補完! 

展覧会カタログ 通信販売はこちら

※会期終了後の購入について

売り切れ及び価格や送料が変更になる可能性がありますので、
館ウェブサイトのショップページでご確認ください。

ページのトップへ戻る