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展覧会概要

アートは、もうひとつの歴史を知ること。

物事の裏側に秘められた歴史やエピソードを丹念なリサーチから見つけ出し、異なる文化との邂逅や衝突、近代化のもたらす伝統との摩擦、移動が引き起こした様々な変化などを浮き彫りにしながら、時間の経過やプロセスを内在した作品を生み出してきたイギリス出身のアーティスト、サイモン・スターリング。学者のようなリサーチと、冒険家のような実践、豊かなイマジネーションを統合し、美術表現の新しい地平を切り開いています。

本展はスターリングの活動を本格的に紹介するアジアで初めての個展であり、代表作に加え、重要な当館の収蔵品であるヘンリー・ムーア作品を軸に制作を進めた広島に関する新作を紹介します。


《雑草の島(プロトタイプ)》2003年
Courtesy of The Artist and The Modern Institute/Toby
Webster Ltd, Glasgow
Photo: Jeremy Hardman-Jones

《タベルナ砂漠走行》2004
Courtesy of the artist and the Modern Institute/ Toby
Webster Ltd., Glasgow

物事の変遷をたどる、冒険家的アーティストの挑戦。

スターリングの制作は、途方もないプロセスを要する実践と挑戦の上に成り立ち、時には船や自転車を自ら操っての旅に身を投じ、制作過程と視覚表現を融合していきます。本展では、自らの尾を食べる想像上の大蛇で永遠の命の象徴、ウロボロスに想を得て蒸気船の船体を切り崩して燃やし、動力にするも沈没してしまう《オートザイロパイロサイクロボロス》(2006)などこれまでの代表作を展示・紹介する予定です。

このように土地に深い由来のある事象を、グローバル化な流れの中で変わりゆく社会状況からとらえ直し、様々な人、物、時代、出来事と関連付けていくスターリングは、近年、イギリス人の先達であるヘンリー・ムーア (1898―1986)の調査研究に取り組んでいます。グローバル・アーティストの第一世代であり、「戦争と平和のアーティスト」といわれてきたムーアは、数々のモニュメントを手がけ、その作品は世界で数多くの美術館に収蔵されています。広島市現代美術館でも、最晩年のムーアとのやり取りの末 1989 年の開館より彼の記念碑的作品を収蔵しています。スターリングはムーアと広島を結ぶ深い関連から冷戦と美術についてリサーチを進め、その複雑な関係を歴史のアレゴリーであり日本伝統の舞台表現である能の登場人物に見立てて面を制作し、新たなインスタレーション、映像作品として発表します。本展は、スターリングのリサーチを核に、現代において美術を通じ広島と世界を繋ぐ様々な関係性をひも解きます。 →広島のための新作、制作ドキュメント


Photo: Simon Starling

開催概要

会場広島市現代美術館
会期2011年1月22日(土)~4月10日(日)
開館時間10:00~17:00 ※3月26日(土) ~ 4月5日(火)は19:00まで開館延長(3月28日、4月4日は除く)、入館は閉館の30分前まで
休館日月曜日(ただし、3月21日(月・祝)は開館、翌22日(火)は休館)
観覧料一般1,000(800) 円、大学生700(600)円、高校生500(400)円
※( )内は前売りおよび30名以上の団体料金 チケットぴあPコード:764-474
主催広島市現代美術館、中国新聞社
助成大和日英基金、グレイトブリテン・ササカワ財団
後援広島県、広島市教育委員会、広島エフエム放送、尾道エフエム放送