2019年9月18日(水)ー12月8日(日) 広島市現代美術館

展覧会概要

会期
2019年9月18日(水)―12月8日(日)
開館時間
10:00-17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日

月曜日(ただし、9/23、10/14、11/4は開館)
9/24(火)、10/15(火)、11/5(火)

観覧料
一般1,200円(1,000円)、大学生900円(700円)、
高校生・65歳以上600円(500円)、中学生以下無料
※( )内は前売り及び30名以上の団体料金
※ 11月3日(文化の日)は全館無料
主催
広島市現代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
監修
五十嵐太郎
協賛
ライオン、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜
協力
Estate of Madeline Gins / Reversible Destiny Foundation
後援
広島県、広島市教育委員会、広島エフエム放送、
尾道エフエム放送

建築の歴史を振り返ると、完成に至らなかった素晴らしい構想や、あえて提案に留めた刺激的なアイディアが数多く存在しています。未来に向けて夢想した建築、技術的には可能であったにもかかわらず社会的な条件や制約によって実施できなかった建築、実現よりも既存の制度に対して批評精神を打ち出す点に主眼を置いた提案など、いわゆるアンビルト/未完の建築には、作者の夢や思考がより直接的に表現されているはずです。この展覧会は、20世紀以降の国外、国内のアンビルトの建築に焦点をあて、それらを仮に「インポッシブル・アーキテクチャー」と称しています。ここでの「インポッシブル」という言葉は、単に建築構想がラディカルで無理難題であるがゆえの「不可能」を意味しません。言うまでもなく、不可能に眼を向ければ、同時に可能性の境界を問うことにも繋がります。建築の不可能性に焦点をあてることによって、逆説的にも建築における極限の可能性や豊穣な潜在力が浮かび上がってくる─それこそが、この展覧会のねらいです。約40人の建築家・美術家による「インポッシブル・アーキテクチャー」を、図面、模型、関連資料などを通して読み解きながら、未だ見ぬ新たな建築の姿を展望します。

作品紹介

夢か現実か?
想像力に満ちた壮大な物語

第1次世界大戦後に描かれた夢想的な世界

ブルーノ・タウト『アルプス建築』1919

機能主義を脱し、自由で豊かな生活へ
人間の精神を活性化する建築やデザインを模索

エットレ・ソットサス
《祝祭としての惑星》1972

原画:タイガー立石

ブルーノ・タウト『アルプス建築』より挿図、1919年
東京都市大学図書館(蔵田周忠文庫)蔵、画像提供:新潟県立万代島美術館

建築的想像力が爆発!
私の建築はこれだ!

縦横無尽に展開される建築的構成美

ヤーコフ・チェルニホフ『建築ファンタジー 101 のカラー・コンポジション、101 の建築小図』1933

建築することを意図しない
「未知の道具として」のドローイング

ダニエル・リベスキンド
《マイクロメガス》1979

ダニエル・リベスキンド《マイクロメガス、夢の微積分》
手刷りシルクスクリーン、インク、紙、1979年、リベスキンド・スタジオ蔵
©Daniel Libeskind

ヤーコフ・チェルニホフ
『建築ファンタジー 101のカラー・コンポジション、101の建築小図』より挿図、1933年
個人蔵

の問題に立ち向かう
近未来のビジョン

東京の爆発的な人口増加に対応するための、海上都市プラン

黒川紀章
《東京計画1961―Helix 計画》1961

美術家による日本橋周辺の景観に対する斬新奇抜なアイデア

会田誠《シン日本橋》2018-19

黒川紀章《東京計画1961―Helix計画》模型、1961年
森アートコレクション、東京
写真:大橋富夫

会田誠《シン日本橋》クレヨン、アクリル絵具、紙、2018-2019年、作家蔵
©AIDA Makoto / Courtesy of Mizuma Art Gallery

語り継がれる
コンペ落選案

日本人として初めて国際コンペに入賞

川喜田煉七郎
《ウクライナ劇場国際設計競技応募案》1930

テンション(吊り)構造による柱のない大空間を提案

村田豊
《ポンピドゥー・センター競技設計案》1971 

コンペの前提条件そのものに戦いを挑む

磯崎新《東京都新都庁舎計画》1986

磯崎新《東京都新都庁舎計画》南北断面図
シルクスクリーン、紙、1986年、磯崎新アトリエ蔵

村田豊《ポンピドゥー・センター競技設計案》部分断面図(1:200)
インク、紙、1971年、村田あが蔵、協力:文化庁国立近現代建築資料館

あと一歩だったけど…

コンペで1 等獲得するもプロジェクト自体が中止に

藤本壮介
《べトンハラ・ウォーターフロント・センター》2011 

法的にも構造的にもすべてクリアしていた段階で
白紙撤回となった幻のプロジェクト

ザハ・ハディド・アーキテクツ+設計JV(日建設計、梓設計、日本設計、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン設計共同体)《新国立競技場》2013-15

ザハ・ハディド・アーキテクツ+設計JV(日建設計、梓設計、日本設計、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン設計共同体)《新国立競技場》構造用風洞実験模型、高さ75mのプラン(1:300)、協力:設計JV(日建設計、梓設計、日本設計、 オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン設計共同体)

藤本壮介《べトンハラ・ウォーターフロント・センター設計競技1等案》周辺図
CG画像、2012年

映像制作・監督:長倉威彦、CG:アンドレ・ザルジッキ、長倉威彦、ダン・ブリック、マーク・シッチ《ウラジーミル・タトリン、第3インターナショナル記念塔》CG映像、1998年

関連プログラム

「インポッシブル」ってどういうこと?

インポッシブル・アーキテクチャーを楽しく学ぶ3つのプログラム・シリーズ

その1:「インポッシブル」ってなに?
【対談】建築の不可能性と可能性とは?

講師:
五十嵐太郎(本展監修者、東北大学教授)×浅子佳英(建築家、デザイナー)
日時:
2019年10月13日(日)14:00-16:00
会場:
地下1階ミュージアムスタジオ
定員:
120名

※要展覧会チケット(半券可)、当日10:00より受付にて整理券配布

五十嵐太郎

五十嵐太郎 (いがらし たろう)

本展監修者、東北大学教授、建築史・建築批評家

1967年フランス・パリ生まれ。1992年、東京大学大学院修士課程修了。博士(工学)。あいちトリエンナーレ2013芸術監督、第11回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展日本館コミッショナー、「窓学展示―窓から見える世界―」の監修を務める。第64回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。『日本建築入門―近代と伝統』(筑摩書房、2016)、『日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか』(PHP研究所、2017)、『モダニズム崩壊後の建築―1968年以降の転回と思想』(青土社、2018)ほか著書多数。

浅子佳英

浅子佳英 (あさこ よしひで)

建築家、デザイナー、タカバンスタジオ代表

1972年神戸市生まれ。大阪工業大学工学部建築学科卒業。建築・インテリアデザイン事務所を経て、2010年東浩紀とともにコンテクチュアズ(現ゲンロン)設立、2012年退社。建築作品に、築30年の規格住宅を改装した住宅兼アトリエ「gray」(2015)。八戸市新美術館建設工事設計者選定プロポーザルにて最優秀賞(西澤徹夫建築事務所との共同設計)。主な論考に「コム・デ・ギャルソンのインテリアデザイン」『思想地図β Vol.1』(2010)、著書に『TOKYO インテリアツアー』(安藤僚子との共著、LIXIL出版、2016)。


その2:なんて素敵な「インポッシブル」!
【講演会】紙上&夢想の建築にみるロマン―ロシア・アヴァンギャルドの建築から、メタボリズム、そしてザハ・ハディドまで。

講師:
本田晃子(岡山大学社会文化科学研究科准教授)
日時:
2019年10月20日(日)、14:00-15:30
会場:
地下1階ミュージアムスタジオ
定員:
100名

※要展覧会チケット(半券可)、当日10:00より受付にて整理券配布

本田晃子

本田晃子 (ほんだ あきこ)

岡山大学社会文化科学研究科准教授

1979年岡山県生まれ。2012年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター非常勤研究員、日露青年交流センター若手研究者等フェローシップ、早稲田大学高等研究所研究員などを経て現職。専攻はロシア建築史、表象文化論。『天体建築論: レオニドフとソ連邦の紙上建築時代』(東京大学出版会、2014)により、サントリー学芸賞ならびに南原繁記念出版賞受賞。現在、ウェブ批評誌『ゲンロンβ』にて「亡霊建築論」を隔月連載中。


その3:建たないんだったら、つくっちゃおう。
【ワークショップ】「もし実際に建ったとしたら?」を想像して工作してみよう!

本展で紹介している建物がもし実際に建ったとしたら、なかに置かれる椅子や机などのインテリアはどのようなものでしょうか?デザインを考え、色々な素材を使い、不思議な小さなインテリアをつくってみましょう。つくったものはお持ち帰りいただけます。

日時:
①11月9日(土)13:00-15:00 
②11月10日(日)13:00-15:00
対象:
小学4年生以上(大人も歓迎)
定員:
各回15名/参加費500円

※要事前申込、申込多数の場合は抽選

応募はこちら

  • 材料:スチレンボード、コルクボード、人工苔、カラーモール、ビーズ、リボンなど

担当学芸員によるギャラリートーク

担当学芸員による展示解説

日時:
2019年9月21日(土)、11月23日(土・祝)いずれも14:00-15:00

※要展覧会チケット、申込不要

アートナビ・ツアー

アートナビゲーターによる展示解説

日時:
毎週土曜日、日曜日、祝日 各日11:00-および14:00-(講演会、対談、ギャラリートーク開催時は除く)

※要展覧会チケット、申込不要

展覧会カタログ

|目次|

インポッシブル・アーキテクチャー―批評的オルタナティヴとしての建築
建畠晢

建築の可能性と不可能性のあいだ
五十嵐太郎

[年表] 菊地尊也=編

[コラム]
ユートピアの影絵たち―川喜田煉七郎《ウクライナ劇場設計競技案》の舞台機構について
菊地尊也

戦前期日本のモダニズム建築運動におけるアンビルト―夢想からリアルへ
梅宮弘光

前川國男の戦前期コンペ応募案をめぐって
松隈洋

コンピュータ・グラフィックスとインポッシブル・アーキテクチャー
平野利樹

[エッセイ]
ロシア・アヴァンギャルド概観、飛行をめぐって
前山裕司

岸田日出刀、あるいはつくらない建築家
藤井素彦

メタボリズムの誕生とアジアへの敷衍
中井康之

イヴ・クラインの《空気の建築》をめぐって
平野到

作家略歴

出品リスト

クレジット

展覧会情報

価格:
2,700円+税
頁数:
247ページ
判型:
A4変形
監修:
五十嵐太郎(東北大学教授)
企画:
建畠晢(埼玉県立近代美術館館長)
研究協力:
菊地尊也(東北大学大学院 工学研究科博士後期課程)
編集:
埼玉県立近代美術館、新潟市美術館、広島市現代美術館、国立国際美術館
ブックデザイン:
刈谷悠三+角田奈央/neucitora
発行:
株式会社平凡社

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※会期終了後の購入について

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