2015.12.19 sat - 2016.3.6 sun

広島市現代美術館

ふぞろいなハーモニー Discordant Harmony -

ふぞろいなハーモニー

ふぞろいなハーモニー

田中功起《1台のピアノを5人のピアニストが弾く(最初の試み)》2012年
Courtesy of the artist, Vitamin Creative Space, Guangzhou and Aoyama Meguro, Tokyo
Commissioned by The University Art Galleries, University of California, Irvine

展覧会概要

被爆70周年 ヒロシマを見つめる三部作

被爆70周年を迎える2015年、広島市現代美術館では「ヒロシマを見つめる三部作」と題し、原爆被害をうけた広島の過去を振り返り、
復興の軌跡を見つめ、「今」そして「これから」を考える、3つの異なる視点に基づいた展覧会を連続開催します。

第3部 ふぞろいなハーモニー

広島から現代のアーティストが映しだす
東アジアの多様さを見つめる

「ふぞろいなハーモニー」展は、東アジア地域において常に変化する「調和=ハーモニー」の概念について、現代のアーティストによる作品や調査、活動を通じて、協働の可能性を問いかけ、対話の機会を広げていくことを目指した展覧会です。人的、文化的交流が活発で、魅了しあい、影響しあう関係性にある東アジアは、一方で政治的軋轢の絶えない地域でもあります。ここで調和とは、協力体制を築こうと意識する動きであり、多様性とは相対する圧力にもなってしまう一面を持っています。この展覧会では、アーティストたちの作り出す作品を、変化の中にある時代を映す鏡ととらえ、社会性と結びついた美術表現を通じ、東アジアの今についての探求を広島の地から行っていきます。ひとつの歴史的事象も、別の立ち位置から見れば全く異なるとらえ方をするように、多様な視点があることを認識し受け止める想像力が現代ではますます求められています。被爆の惨禍を記憶に持つ広島の地から、これまでを振り返りこれからを考える新たな関係を培い、今日の社会における課題を、美術という想像を通じて考えます。

会期 2015年12月19日(土)~2016年3月6日(日)
開館時間 10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日 月曜日、12月27日(日)~1月1日(金・祝)
[ただし1月11日(月・祝)は開館。1月12日(火)は休館]
観覧料 一般1,030(820)円、大学生720(620)円、
高校生・65歳以上510(410)円
※( )内は前売りおよび30名以上の団体料金
主催 広島市現代美術館、中国新聞社
企画・助成 ゲーテ・インスティトゥート GOETHE INSTITUT
後援 広島県、広島市教育委員会、広島エフエム放送、尾道エフエム放送
機材協賛 パナソニック株式会社

作家・作品紹介

インタビュー

本展の4名のキュレーターが、このプロジェクトの背景にある、東アジアについての様々な今日的議題に対する考察を深めるため、研究者、アーティスト、哲学者、歴史家、重要な思想家にインタビューをしました。
それぞれ30分程度のこの集中的なインタビューは、東アジアの歴史、芸術、哲学について、また東アジア圏内と圏外との複雑な内的・外的関係について、多様な洞察と視点を提供しています。

GOETHE INSTITUT | ふぞろいなハーモニー Webサイト

ワン・フイ
「多国籍社会としてのアジアの展望」

清華大学(北京)中国語文科系教授。現代中国文学、知識人の歴史を研究。1996年5月から2007年7月まで影響力を持つ文学ジャーナル『Dushu(読書の意)』編集長を務める。

インタビュアー:キャロル・インハ=ルー

ワン・ウェイ
「地域性としてではなく、
経験と実践の交換の可能性としてのアジア」

詩人、1975年貴州省生まれ。1996年より主に北京を拠点に活動。チベット、新疆ウイグル自治区の人文地理雑誌の主任論説員を7年間務めながら、中国国境地域を取り巻く問題に関心を向け始める。「アジア人ライター」の可能性、ある種の「未来の文学」、政治哲学に関して、現代の作家たちと対話した。2011年7月、地理的なアプローチと視点をアイデアの歴史に適用する「Multi-future project」を共同企画、北西・南西・北東中国における多様なテーマについてのフィールド研究を実施。このプロジェクトは作家、社会学者、写真家、映像作家のグループによるテキスト、イメージ、ビデオ、個々の実践の集合体である。

インタビュアー:キャロル・インハ=ルー

チェン・ジェレン
「解決策としての平等:私の人生から政治を語る」

1960年台湾桃園生まれ、台北在住。冷戦、反共プロパガンダ、戒厳令(1950年〜1987年)が特徴とされる期間、台湾の支配的な政治メカニズムに対して異議申し立てを行うため、制度外、つまり地下の展覧会やゲリラ的アート行動を行う。戒厳令解除後、アート活動を8年間休止。1996年に再開後、地域住民、失業者、日雇い労働者、移民労働者、外国人配偶者、若年失業者、社会活動家とのコラボレーションを始める。彼らは資本家が所有する工場を占拠し、法律によって封鎖されている地域に入り込み、捨てられた材料を利用し、ビデオ作品のセットを構築した。新自由主義によって隠蔽された現実や人々の歴史を視覚化する一連のビデオプロジェクトを開始、その中で彼自身が「再想像、再物語化、再記述、再結合」と呼ぶ戦略を用いている。

インタビュアー:ファン・チェンホン

チェン・カンシン
「方法としてのアジア」

国立交通大学社会文化研究所(台湾)教授。中国語、英語双方で幅広く執筆活動を行う。英語で編集された本に『Stuart Hall: Critical Dialogues in Cultural Studies』(1996年)、『Trajectories: Inter-Asia Cultural Studies』(1998年)、中国語に『脱帝国―方法としてのアジア』(2006年)、『台湾のカルチャラル・スタディーズ』(2000年)、『Partha Chatterjee講座:政治社会の発見―国家暴力、モダニティとポスト植民地民主』(2000年)がある。著書に『メディア/文化批判の民主主義逃走路線』(1992年、中国語)、『帝国の眼差し』(2003年、韓国語)。雑誌「Inter-Asia Cultural Studies」共同編集者。

インタビュアー:ファン・チェンホン

四方田 犬彦
「東アジア映画の境界越境における
メロドラマ的な想像力」

1953年兵庫県生まれ。作家、文化エッセイスト、映画歴史家。東京在住。東京大学宗教学専攻卒業、同大学大学院で比較文学、比較文化を専攻。建国大学校(韓国)、コロンビア大学(アメリカ)、ボローニャ大学(イタリア)、テルアビブ大学(イスラエル)、プリシュティナ大学(コソヴォ)など世界各国で客員教授や研究員を歴任。明治学院大学(東京)で比較文学と映画研究の教授も務めた。

インタビュアー:神谷 幸江

岡田 利規
「アジアで、地域メディウムとしての身体と遊ぶ」

1973年横浜市生まれ。劇作家、ディレクター。1997年、演劇劇団「チェルフィッシュ」を結成。以来全ての作品を執筆、監督。演劇を創造するための特異な方法論を実践し、口語調の日本語とユニークな振り付けの使用によって知られることとなる。2005年、『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005 〜次代を担う振付家の発掘〜」に参加、『クーラー』(2005年)で関心を集めた。2007年2月、デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を発表、第二回大江健三郎賞受賞。2012年より岸田國士戯曲賞の選考委員。2013年、初の演劇論『遡行 変形していくための演劇論』を河出書房新社から出版。

インタビュアー:神谷 幸江

パク・チャンキョン
「『東アジア』という単純な認識からの東アジア解放」

1965年生まれ。アーティスト、映像作家。ソウル大学絵画専攻で学士号取得後、カリフォルニア芸術大学で写真を専攻、修士号取得。アカデミー・シュロス・ソリテュード(シュトゥットガルト)、アトリエ・エルメス(ソウル)、レッドキャット(ロサンゼルス)、光州ビエンナーレ(光州)など国際的な展覧会で作品を発表。美術作品と映画作品は、韓国エルメスの美術賞(2004年)、ベルリン国際映画祭短編部門金熊賞(2011年)など数多くの賞を受賞。2014年メディア・シティ・ソウル芸術監督。

インタビュアー:キム・ソンジョン

オ・ソンヨル
「アジアについての視点:経済的なアプローチ」

韓国外国語大学国際地域大学院学部長。香港中文大学で経済学の博士号取得。専門分野は中国経済、北朝鮮経済、経済関係。

インタビュアー:キム・ソンジョン

関連プログラム

●アーティストの声を聞こう、ギャラリー・ツアー!

出品作家が、自作の前で作品について次々語る、リレー式ギャラリー・ツアーです。

2015年12月19日(土)10:30~12:00予定

会場:展示室内

※逐次通訳付、要展覧会チケット(半券可)、事前申込不要


●東アジアの今と美術について語り尽くす、円卓会議!

スペースを持ったり、企画を実施したり、社会運動に関わったり、常に現状に批判の目を向け、より自由な表現の場を作り出すアーティスト、キュレーターたちが、東アジアの各地で進行形の様々な活動、課題について円卓会議形式で論議をします。

2015年12月19日(土)14:00~16:00

[出席者]予定
本展出品作家/チェン・ジエレン、千葉正也、サイレン・ウニョン・チョン、リー・キット、リュン・チウー、リュー・ディン
本展キュレーター/キム・ソンジョン、神谷幸江、ファン・チェンホン、キャロル・インハ・ルー
会場:地下1階ミュージアムスタジオ
※逐次通訳付、要展覧会チケット(半券可)、事前申込不要


●ライブパフォーマンス

出品作家によるライブパフォーマンスを行います。

①クォン・ビョンジュン
「泣き出す鐘(The Weeping Bells)」
2015年12月20日(日)13:30~14:00

会場:展示室内(地下1階) クォン・ビョンジュン作品前 

※要展覧会チケット(半券可)、事前申込不要

 

②サイレン・ウニョン・チョン
「私は歌わない(I am Not Going to Sing)」
2015年12月20日(日)14:30~15:00

会場:展示室内(地下1階) サイレン・ウニョン・チョン作品前

※要展覧会チケット(半券可)、事前申込不要

 

展示会カタログ

【テキスト】

  • 「ふぞろいなハーモニー」アジアという想像物についての批評的考察
  • ハーモニー:共感の文化から不調和へ/キム・ソンジョン(Samusoディレクター・光州アジア文化複合施設内アジア文化情報局芸術監督)
  • フィールドワークの現場としてのアジア/キャロル・インハ=ルー(インディペンデント・キュレーター)
  • 真空への配慮/黄建宏 [ファン・チェンホン](国立台北芸術大学藝術跨領域准教授)
  • 過去と未来の間、で考える。ヒロシマから。/神谷幸江(ジャパン・ソサエティー、ギャラリー・ディレクター)
  • 【Q&A】

    【図版、作家・作品解説】

  • 陳界仁 [チェン・ジエレン]/千葉正也/ハム・ヤンア/郝敬班 [ハオ・ジンバン]/サイレン・ウニョン・チョン/キム・ソラ/ク・ジョンア/クォン・ビョンジュン/李傑 [リー・キット]/梁志和 [リュン・チウー]/刘鼎 [リュー・ディン]/高嶺格/田中功起/鄧兆旻 [テン・チャオミン]/ウー・ツァン/米田知子
  • 【資料編】

  • 作家略歴
  • 出品リスト
価格 ページ数 アートディレクション
2,300円(税込)
128ページ 野村勝久・坂本実央
(野村デザイン制作室)
翻訳 英文校閲 印刷 発行
河野晴子、林寿美、平野真弓、帆足亜紀、
パメラ・ミキ・アソシエイツ、
hanare×Social Kitchen Translation
ジョナサン・オーラナー 柏村印刷株式会社 広島市現代美術館

※会期終了後の購入について
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