ビデオアートプログラムB山口勝弘

山口勝弘《ガウディ幻想》
1978年
カラー、サイレント
10’46”

山口勝弘は、1970年代初頭から映像メディアを表現に取り入れ、メディア・アート史において先駆的な作品を制作したことで知られる作家です。山口は1961年に初めてバルセロナを訪れた際、アントニ・ガウディ(1852-1926)によるサグラダ・ファミリアを実見し、「澄み切った青空を背景に、乾燥した石造の色と湧き上がってゆく幻想の群れが私を把えた」とその時受けた強烈な印象について書いています。その後の1977年に再びバルセロナを訪れた際、山口はカラー写真でガウディの建築を撮影し、このときのフィルムに画集の写真を加え、これらにコンピューターで制作した映像を組み合わせることで《ガウディ幻想》を完成させました。曲線や色鮮やかなタイルによる装飾を特徴とするガウディの建築と、回転し、揺れ動く螺旋状・波紋状の電気的なイメージが重ね合わされることで、ガウディ建築のもつ生物のような有機性が浮かび上がります。

山口勝弘
1928年、東京生まれ。日本大学法学部を卒業した後、独学で作品制作をはじめる。1951年、美術家、作曲家、詩人、振付師、批評家などが集まり、領域横断的な活動を行うことになる「実験工房」の結成に加わる。50年代に制作した偏光ガラスによる光の屈折を用いた絵画「ヴィトリーヌ」シリーズは、山口の代表作として知られる。1961年、ニューヨークに滞在した際に「フルクサス」の活動を知り、60年代は様々な「イヴェント」や「ハプニング」にも参加。1970年の日本万国博覧会では、三井グループ館の総合プロデューサーを務め、その後も様々な大型プロジェクトのディレクションに携わる。1972年には、ヴィデオによる作品表現を追究した「ビデオひろば」を結成。その後も映像や最新のテクノロジーを通じたコミュニケーションや空間創造に取り組み、アートと社会を接続するための活動を続けた。2018年、敗血症により死去。

※4月21日(日)および5月3日(金・祝)~5(日)はイベント開催のため上映をお休みします。

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