ビデオアートプログラムA第70回:ローザ・ヌスバウム

上映作品について

バイオリンの格好で水面に浮遊するアーティストが、弦を弾いて音を奏でる。新造船の最初の航海を意味する「処女航海」と題された本作は、ローザ・ヌスバウムが大学院の修了制作として発表したパフォーマンスであり、その記録映像です。
このプロジェクト実現のために、ヌスバウムは実際の船舶でも使用される、防水処理が施された合板を切り出してワイヤーで繋ぎ、バイオリン型のボート「ボートリン」を制作しました。そして、それを着用することで作家本人がボートリンの躯体そのものに成り変わります。身体が水に浮いた時点から、ボート、バイオリン、楽器演奏者でありアーティストとしての四役をこなすことを自らに課し、アーティストとしての「船出」をまさに体現せんと試みたといえるでしょう。見られる対象として自らの身体を差し出しながらも、お手製の着ぐるみをまとい、別キャラを演じるという名目で、屈託なくあられもない姿をさらすことも厭わない、大胆な開き直りとユーモアが感じられます。

ローザ・ヌスバウム

1991年ドイツ、フライブルク生まれ。2011年オックスフォード・ブルックス大学(アート&デザイン基礎コース)、2014年ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツ卒業(プリント&タイムベースト・メディア専攻)、テキサス大学オースティン校修士課程修了(スタジオ・アーツ専攻)。主な個展に2020年「Good Brick Bad Brick」セカンド・ステート・プレス(フィラデルフィア、アメリカ)、2019年「Horizonland」ウィメン・アンド・ゼアワーク(オースティン、アメリカ)、グループ展に2019年「Touching Down Lightly」ムーンミスト(ヒューストン、アメリカ)がある。
https://rosanussbaum.com/work/car/

上映作品

《処女航海(ボートリン)》2018年、カラー、サウンド、8’02”

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