ビデオアートプログラムA第68回:ヴィクトル・ブリム

上映作品について

ケルン北部の港湾施設で撮影された《モノスケープ》。画面にはコンテナの積み下ろしを行うガントリークレーンがしばしば見切れた状態で映し出されます。ブリムは地域性とは無縁な、国際規模で標準化された物流システムそのものを、慎重に設定されたフレームを通して顕在化させるのです。また、ロシアの北極圏に位置する港湾都市、ムルマンスクを取材した《オブジェクツ・アンド・アーティファクツ》では、極限的な自然環境と人工物群が、崇高ささえ感じさせる終末的風景を形作ります。その中には、ちっぽけな人の姿が時折現れます。終盤、高台にそびえる40メートルを超える大きなソビエト極北防衛隊慰霊碑の前に人々が佇んでいます。国家による巨大モニュメントに相対する人々と、産業システムを内包した機構の中に身を置く人々。個々人には抗い難い強大なシステムに取り囲まれているのは私たち自身の姿なのかもしれません。

ヴィクトル・ブリム

1987年ウズベキスタン、タシュケント生まれ、ドイツ、ケルン在住。2011年ライブツィヒ芸術アカデミー卒業(メディアアート専攻)、2015年ポツダム映画テレビ大学卒業(長編映画、テレビ専攻)、2018年ケルンメディア芸術大学修士課程修了。作品上映をした主な展覧会として第21回文化庁メディア芸術祭(東京、2018)、dokumentARTヨーロッパ・フィルムフェスティバル(ノイブランデンブルグ、ドイツ、2019)、「Possessed Landscapes」エディス・ルス・ハウス・メディエクンスト(オルデンバーグ、ドイツ、2020)がある。

上映作品

《モノスケープ》2017年、カラー、サウンド、16’41”
《オブジェクツ・アンド・アーティファクツ》2019年、カラー、サウンド、16’05”

※2月29日(土)、3月29日(日)、4月25日(土)はイベント等のため上映をお休みします。

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