ビデオアートプログラムA第62回:吉村亜也子

上映作品について

吉村は本作で、東京、上海、ニューヨークなど、12の都市で撮影した写真をつなぎ合わせ、実際には存在しない架空の都市風景を出現させました。映像に映し出されるのは、建造物と自然風景のみで、景色のなかに走行する自動車や鉄道車両、そして人間や動物たちの姿はありません。生き物の営みを感じさせない静寂な都市の様相は、廃墟のようにも感じられます。18世紀の画家たちは古代建造物や廃墟に崇高美を見出し、絵のモチーフとして取り入れることで、理想とする風景を「空想的風景画」として幻想的に表現しました。一方で、吉村がつくりだす都市は理想的風景とは呼びがたく、地域的特色や人々の活動が排除されていることで、景観の均一化や都市の無機質さといった現代的な課題が示唆されています。

吉村亜也子

神奈川県出身、アムステルダム在住。立教大学文学部卒業。Bゼミ・スクーリングシステムで学ぶ。サンドベルグ・インスティテュート(アムステルダム、オランダ)美術学修士取得。主な個展に2002年「One place-home」麹町画廊(東京)、2013年「Variations on a Theme-Nature」Punt WG(アムステルダム、オランダ)、グループ展に2017年「新しいページを開け!」3331 Arts Chiyoda(東京)。

上映作品

《Places-a city》2006/2014年、カラー、サウンド、15’11”(ループ)

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