ビデオアートプログラムA第57回:セシル・アルトマン


上映作品について

中東の経済中心地として急速な発展を遂げ、超高層ビルや巨大なショッピングモールが次々と建設されたドバイ。セシル・アルトマンは2008年のリーマン・ショック直後のドバイを訪れ、世界的金融危機のあおりを受けて建設工事が中断した都市の風景を映し出しました。
建設中の高層ビルが立ち並ぶ大都市。工事現場に人の姿は見えるが、ほとんど動きはありません。道路を走る車だけがかろうじて都市の営みを感じさせます。日が高くなっても本格的な工事が行われているような気配はありません。別のビルにはもはや人の姿はなく、無人のゴンドラが風に揺れています。周囲には放置された工具が砂に埋もれており、ここが砂漠の中に出現した街であることを思い出させます。いつしか画面はモノクロに変わり、荒れた砂地の風景が、やがて美しい風紋を描く砂丘の静止画へと移行します。作品タイトルの「Achrone」は、時間を表すフランス語に由来し、それを否定する形容詞です。非-時間的な砂漠の風景は、最後は砂時計の砂が落ちるかのように崩れ始めます。

セシル・アルトマン

1971年、フランス、コルマール生まれ、パリ在住。1998年、パリ国立高等美術学校修士号(絵画)取得。2015年、2016年「Hiroshima Art Document」 旧日本銀行広島支店(広島)、 2016年「The Family of the Invisibles」ソウル市立美術館(韓国)、2017年「Y he aquí la luz」ミゲル・ウルティア美術館(ボゴタ、コロンビア)など多くのグループ展に参加。ドキュメンタリーとフィクションの間を行き来しながら映像作品を制作している。

上映作品

《非時間的な》2011年、カラー、白黒、サウンド、12’ 00”

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