ビデオアートプログラムA第56回 : ルイス・コルソ


上映作品について

不穏な音楽が鳴りはじめ、黒い服を着た男が現れます。ビルの入口にはハングルの文字。ここは朝鮮半島のどこかの街のようです。車に乗って撮影されているのか、画面は一定のスピードで流れつづけています。しかしそのスピードは極端に遅く、この奇妙な状況に鑑賞者はすぐに気づきます。
本作タイトルは《일 분(One minute)》。つまり撮影された1分間の映像が約1/7倍速に編集されています。撮影されたのは2016年4月15日。その日は朝鮮民主主義人民共和国の太陽節、つまり金日成の誕生日をいわう祝日です。ルイス・コルソは首都平壌を走るバスの中から1分間だけの撮影を許可され、手持ちのiPhoneで撮影を試みました。解像度の低い映像が日常的な光景から日常性を剥奪し、違和感を増幅させます。コルソはこう述べています。「街はまるで野蛮な国のディズニーランドのようで、雰囲気は張りつめ、一年でもっとも晴れがましい祝日と言うにはあまりにも奇妙だ」と。

ルイス・コルソ

1990年、グアテマラ共和国グアテマラシティ生まれ、アメリカ合衆国ニューヨーク在住。2012年、IDEPバルセロナ高等学校にて、写真およびコンテンポラリークリエーションの学士号取得。ファッション写真の分野で活動するかたわら、実験的な映像作品やミクストメディアの作品を手がける。2016年「nāCHər」SIRSU グッズ&リテラチャー(個展/ナッシュビル、アメリカ)、「hot, opalescent, thick tears that poets and lovers shed」パーソル・プロジェクト(グループ展/ニューヨーク、アメリカ)などに参加。

上映作品

《ワン・ミニット》2017年、カラー、サウンド、6’ 56”

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