ビデオアートプログラムA第53回 : レベッカ・モリソン

上映作品について

本作《ワンス・イン・ア・ララバイ》は、映像作品シリーズ「カルテット」の中のひとつで、遊園地の場面を中心に構成されています。娯楽に興じる人々の庶民的な身なりと振る舞い、そして大衆的な嗜好を反映した、場を彩る意匠が主要な存在として捉えられます。それらが、曇天との対比や安定的な構図を通して、まるで舞台上の主役のように浮かび上がります。また、彼女の作品はBGMが重要な役割を果たしており、本作では中盤よりひときわ印象的なコーラスが流れます。そしてコーラス隊の指揮者と思しき男性が映し出され、気だるそうな観客達とは対照的に、活き活きとした表情で歌声を導き、その余韻とともに映像は締めくくられます。
モリソンは、編集の過程がもたらすものを「撮影された映像に潜む詩的な響きの探究」また「アイロニー、謎、ユーモア、そしてリズムの発見」と述べています。あくまでも大衆的な娯楽や人々を分析的に観察する視点によりつつ、遊園地で人々が楽しみを享受する感性を映像に重ね合わせることで、視覚と音による、統合された響きとして作品がまとめ上げられています。

レベッカ・モリソン

1976年アメリカ、イリノイ州シャンペーン生まれ、マサチューセッツ州ボストン在住。マサチューセッツ芸術大学にて、写真および美術史の学士号取得。2008年メンバーのひとりとして、サロン・ヌーヴォー・ボストンの創設に参加し、2010年までキュレーターを務める。2009年より2013年まではニューイングランド・カレッジにて、美術および美術史学科の講師を務める。現在は、マサチューセッツ芸術大学、メディアアーツ(映像)修士課程に在学し、映像作家、写真家、美術史家、キュレーターなど多彩な活動を展開。2015年、パレードや地域の祝祭、コンサート、テーマパークなど、人びとが大衆的な娯楽に興じる場の様子を捉えた映像作品を「カルテット」と題したシリーズとして発表。

上映作品

《ワンス・イン・ア・ララバイ(かつて子守唄で)》 2015年、カラー、サウンド、4’17”

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