ビデオアートプログラムA第48回 : リチャード・T・ウォーカー

上映作品について

アメリカの荒涼とした風景の中で、リチャード・T・ウォーカーは、風景の一部を切り取った写真を三脚に据え、歌を口ずさみ、ギターやキーボードで音楽を奏でながら、現代における自然の崇高さと向き合います。郷愁をそそるメロディはしかし突然途切れ、切り替わる画面とともに重なっていく電子音が不協和音を奏で始めると、見る者は次第に不安な思いにかられ、自然の不穏さを感じます。
イギリスの自然を身近に感じて育ったウォーカーは、リチャード・ロングやハミッシュ・フルトンらランド・アートの先達のように、自然のなかを歩き、孤独と対峙しながら自らを見つめてきました。人々の自然に対する意識は時代とともに変化してきましたが、それでもなお、自然はいつでも私たちを受け入れ、拒絶し、喜ばせ、そして不安にさせるのです。

リチャード・T・ウォーカー

1977年イギリス、シュルーズベリー生まれ、アメリカ、サンフランシスコ在住。2005年ゴールドスミスで博士号取得(美術専攻)。2012年サンフランシスコ近代美術館(アメリカ)、2014年アリゾナ州立大学美術館(テンピ、アメリカ)、2015年ディローザ(ナパ、アメリカ)で個展開催。映像、パフォーマンス、インスタレーションなど、人間と自然との関係性を探求した作品を制作、発表。

上映作品

《これをわれわれのことにしよう》2012年、カラー、サウンド、7’44”

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