ビデオアートプログラムA第46回 : 楊嘉輝(サムソン・ヤン)


上映作品について

私たちは、いろいろな感覚を駆使して物事を捉えています。中でも、「音」のもたらす情報は圧倒的に私たちの認識を占めています。
作曲を学んだ経歴を持つサムソン・ヤンは様々なアプローチによって「音」の存在に目を向けます。《消音弦楽四重奏》では、曲を奏でないパフォーマンスを強いることで奏者の息づかいや指が楽器を押さえるささやかな音だけが浮かび上がり、《消音舞獅》では、獅子舞が静けさの中で動き続け、踊り手が交わす合図や足音だけが聞こえます。それによって、音楽にかき消されていた演者たちのコミュニケーション行為が音になって現れていることに気づかされます。ひとつの支配的な音の陰でかき消されている多様なノイズは、例えば、ひとつの声に支配され、その他の声の存在に目を向けない政治的状況の比喩にも見えてきます。

楊嘉輝(サムソン・ヤン)

1979年香港生まれ、同地在住。2002年シドニー大学で音楽、ジェンダー・スタディー専攻、学士号取得。2013年プリンストン大学(アメリカ)で作曲専攻、博士号取得。2012年アルス・エレクトロニカ賞佳作、及び文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦。2013年香港アーツ・デパートメント・カウンシル年間最優秀作家賞(メディア・アート部門)。2015年BMWアート・ジャーニー・アワード授賞。

上映作品

《消音状況之一:消音弦楽四重奏》2014年、カラー、サウンド、17’10”
《消音状況之二:消音舞獅》2014年、カラー、サウンド、7’21”

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