ビデオアートプログラムA第45回 : カーク・パーマー

上映作品について

2005年に来日したパーマーは、京都郊外の山腹から盆地に広がる市街を見渡した際、書籍を通して知っていた被爆直後の広島の街を撮影した写真を意外にも想い起こしました。そして京都も原子爆弾投下目標地点の候補だったことを知り、彼の中で京都とヒロシマとがリンクします。《ざわめき》では京都の山間に広がる竹林と空だけが映し出され、原爆やヒロシマを暗示する光景は登場しないものの、強風を受け荒れ狂う竹林のすがたが脅威の念を喚起します。
現在の広島が舞台の《広島》では、市内のプール、地元の老舗百貨店、市内を走る路面電車など、広島に暮らす人なら誰もが知っている、普段の街の風景が淡々と映し出されます。そこにはかつて広島が「被爆」したという事実を今なお示し、物語る、象徴的な場所は登場しません。「ヒロシマ」を敢えて不在にすることで、人々の想像力を喚起し、70年前の記憶の風化に警鐘を鳴らします。

カーク・パーマー

1971年イギリス、ノーザンプトン生まれ。ロンドン在住。 ロイヤル・カレッジ・オブ・ロンドンでMFA取得(写真専攻)。同カレッジに在籍中の2005年、交換留学生として来日し、京都市立芸術大学に在籍。国内外の展覧会や上映プログラムに写真と映像作品を発表する。2015年、大和日英基金大和ジャパンハウス(ロンドン)で個展「リメンバリング・アブセンス」を開催。

 上映作品

《ざわめき》、2006年、HDビデオ、モノクロ、サウンド、7’00”
《広島》、2007年、16ミリフィルム(デジタルマスター版)、カラー、サウンド、18’00”

関連プログラム

2015年7月26日(日)14:00~16:00
アーティスト・トーク

出品作家、カーク・パーマー氏を迎え、今回上映する2作を含む映像作品三部作「8月の影」(《ざわめき》、《広島》、《戦争の終焉:記憶の島》)について、制作するに至った経緯などをお話しいただきます。
会場:地下1階ホワイエ
※参加無料、事前申込不要、逐次通訳付
※協力:広島県立美術館、長崎県美術館
※広島県立美術館「広島・長崎 被爆70周年 戦争と平和展」(7月25日(土)~9月13日(日))では、三部作のうち《広島》、《戦争の終焉:記憶の島》がご覧いただけます。

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