ビデオアートプログラムA第32回:グレタ・アルファロ

上映作品《In Praise of the Beast》について

自然に生きる野獣たちを祝福して森の中に置かれた華やかなケーキ。しかし、あらわれた野獣であるイノシシたちは、祝福の意味どころか、ケーキが食べ物であるということすら理解せず、踏みつけ、破壊し、泥遊びをするかのように体をすりつけ始めます。観る人によっては、そのイノシシの姿は醜悪とも、あるいはかわいらしくともうつるでしょう。野獣は多くの寓話や物語の中で、醜く、無秩序な存在として描かれます。しかし、自然の中で暮らす彼等にとって、人間が作りだしたイメージはそもそも無関係のもの。ケーキを与える人間こそが奢った存在であるとも言えます。同じ動物であるはずの人間は現在、大量消費による自然破壊や環境汚染など、様々な問題を抱えています。本当に野蛮なのは野獣なのか人間なのか。ケーキで無邪気に遊ぶイノシシたちの姿を通して、我々に問いかけています。

グレタ・アルファロ

1977年スペイン北部の歴史的な都市パンプローナで生まれる。2001年バレンシア工科大学芸術学部卒業、2011年英国王立芸術大学院写真修士取得。ロンドン在住。宗教や土着の神話・寓話等をモチーフとし、秩序や倫理の本質について問いかける。写真、映像、インスタレーションなど多岐にわたる形態で作品を発表している。2010年に「ブルームバーグ・ニュー・コンテンポラリーズ 2010」に選出、2012年にはジェネシスファウンデーションの助成により個展「A Very Crafty and Tricky Contrivance」(ロンドン)を開催するなど、若手作家として注目されている。

follow us
facebook
twitter
YouTube
RSS

メールニュース