ビデオアートプログラムBロバート・スミッソン

ロバート・スミッソン《スパイラル・ジェティ》
1970年
カラー、サウンド
35’00”

1970年4月、ロバート・スミッソンはユタ州グレートソルト湖のローゼル・ポイントに、記念碑的「アースワーク」(「ランド・アート」とも称される)、《スパイラル・ジェティ》を完成させました。広大な大地や河川を舞台に大規模に展開されるアースワークのなかでも、スミッソンの《スパイラル・ジェティ》はアイコン的存在として知られています。湖岸から掘りだされた玄武岩、泥、塩の結晶で構成された「螺旋状の突堤(スパイラル・ジェティ)」の全長は、約1,500フィート(約457メートル)、幅は約15フィート(約4.57メートル)。同名の本映像作品は、この巨大なアースワークの制作過程を撮影したドキュメントとしての性質をもちますが、真っ赤に燃え上がる太陽フレアの映像から始まり、途中では、恐竜と思しき古代生物の骨格化石を映したシーンが挿入されるなど、制作過程の純粋な「記録」にとどまりません。地質学、結晶学、医学の専門書のみならず、サミュエル・ベケットの小説『名づけえぬもの』やジョン・テインのSF小説などからも引用されたテキストが作家本人の声によって語られ、《スパイラル・ジェティ》の雄大な構想を暗示しています。
アースワーク、《スパイラル・ジェティ》が制作された70年は、湖の水位が特に低かったため、72年に完全に水没してしまいます。しかしながら、91年にスミッソンの遺族から作品寄贈を受けたディア芸術財団が、この巨大な彫刻作品を管理・保全してきました。2002年、干ばつの発生にともなって水位が下がり、以降、その姿を水面上にとどめています。

ロバート・スミッソン
1938年、ニュージャージー州バサイック生まれ。1958年よりアート・ステューデンツ・リーグで絵画を学ぶ。幼少の頃から考古学、地質学、古生物学などに関心を抱く。66年にユダヤ博物館で開催された「プライマリー・ストラクチャーズ」展、69年にコーネル大学付属美術館での「アース・アート」展などに参加。70年、ユタ州グレートソルト湖に《スパイラル・ジェティ》、ケント州立大学に《部分的に埋められた小屋》を制作。73年、テキサスで《アマリロ・ランプ》の制作中に、飛行機事故で死去。

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