オープン・プログラム特別展示 フィリップ・キングとアンソニー・カロ

フィリップ・キング(1934–)はチュニジアに生まれ、イギリスを中心に現在も活動を続ける彫刻家です。1960年代初頭に、プラスティックやファイバーグラスなどの新素材を用いた鮮やかな色彩の彫刻がイギリス美術の新動向として取り上げられ、衆目を集めました。そして、セント・マーチン美術学校で若き日のキングに彫刻を教え、キングにとっても後進の多くのイギリスの彫刻家たちにとっても良き指導者であったのが、アンソニー・カロ(1924–2013)です。カロは、キングに先んじて彩色した屑鉄を組み合わせた抽象彫刻を発表し、イギリスの彫刻における一時代を築きました。

本展示では、当館の委託によって制作されたキングの《ヒロシマのための記念碑》(1987–88)を、カロの《ウォーター・ストリート・スターター》(1980)と共に紹介し、1980年代のキングの表現について考えてみたいと思います。同時開催のコレクション展内の特集「顔のような」のテーマとも関連し、野外彫刻として当館に常設展示しているキングの《ヘッド》(1982–83)もあわせてご覧ください。

フィリップ・キング(1934–)

イギリスを中心に活動する彫刻家。1950年代にはヘンリー・ムーアの助手を務めながらブロンズ製の人体彫刻を制作していたが、1960年代に入ると、円錐形に有機的造形を取り入れた彩色の抽象彫刻の制作を開始。イギリス美術の新動向として取り上げられ、アメリカにおいては「プライマリー・ストラクチャーズ」の旗手として衆目を集める。1980年代末から具象彫刻へ回帰し、陶によるプリミティヴな表現を経て、2000年代になると再び彩色した鉄鋼による大型の抽象彫刻を制作する。

アンソニー・カロ(1924–2013)

戦後のイギリス彫刻を代表する彫刻家。1950年代はキングと同様ムーアに師事し、ブロンズによる人体表現を行ったが、アメリカ滞在中に抽象表現主義の絵画に出会ったことを契機に、鉄鋼による抽象彫刻へ転向。1960年代初頭には、彩色した屑鉄によって構成した台座をもたない抽象彫刻を発表し、イギリス美術界で大きな反響を呼んだ。ロンドンのセント・マーチン美術学校で教鞭を執り、キングをはじめ多くの後進の彫刻家を指導した。

基本事項

会期 2018年11月17日(土)~2019年2月3日(日)
開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜日(ただし、12月24日、1月14日開館)、12月25日(火)、
12月27日(木)~2019年1月1日(火・祝)、1月15日(火)
観覧料 無料

フィリップ・キング
《ヒロシマのための記念碑》1987-88

アンソニー・カロ
《ウォーター・ストリート・スターター》1980

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