作品解説

ソルボンヌ大学で造形美術と実験映画を専攻した作者は、旅先のローマで、鉛、新聞紙、木材、石、ロープなど身近にある素朴な素材を用いたアルテ・ポーヴェラ（貧しい芸術）と出会い、美術への思いを強くします。「配置」を意味する「アレンジメント」シリーズは、サッカーゴールやオートバイといった工業製品や、日常生活で目にする身近なものを素材としたインスタレーションです。ものとものだけでなく、場所や人物との意外な組み合わせによる対話は、別のイメージを喚起し、さらなる連想を誘発し、その過程で生じる新たな関係づけによって作品が成立するというレッチアの考え方が反映されています。