前衛アーティスト靉嘔の全貌に迫る展覧会。

靉嘔(あいおう)は、絵画や版画、立体などの多様なジャンルを通して様々なモチーフに虹色を重ねる作品を生み出すとともに、60年代にはニューヨークで前衛芸術集団「フルクサス」のメンバーとして、人間の五感に訴える作品や周囲の環境を取り込んだインスタレーションを発表しました。本展では、代表的な虹のシリーズをはじめ、観客が直に体験できるインスタレーション、世界各地で行った「パフォーマンス」や「イヴェント」のドキュメントなど、作家の初期から新作を通して、生命力溢れる靉嘔の世界を紹介します。

《若い仲間たち》1954 千葉市美術館蔵 《アダムとイヴ》1967-71 東京都現代美術館蔵 《8:15 A.M.》1988 広島市現代美術館蔵

展覧会を楽しむための3つのキーワード。

虹のアーティスト

線で描くことや構図を用いるという表現手法から脱却した靉嘔は、引用したモチーフに赤から紫までの可視光線(スペクトル)を重ねる「虹」の作品を生みだします。絵画や版画、立体などの多様なメディアに虹色を重ねる作品を生み出し、ヴェネチア・ビエンナーレ(1966年)での発表等を経て、靉嘔は「虹のアーティスト」として国際的に評価されるようになります。


《オープニング》1992

体感するアート

1958年、ニューヨークに渡った靉嘔は、「見る」作品から「体験する」作品へと表現を移行していきます。箱の穴に指を入れ鑑賞する《フィンガー・ボックス》や、周囲の環境を取り込んだインスタレーション等、絵画の枠にとどまらない人間の五感に訴える作品を生み出します。日常の事物や行為そのものがアートに変換された1960年代、靉嘔の「エンヴァイラメント」*と呼ばれるインスタレーションは先駆的な表現として注目されます。

《神々は今こゝに眠る》1962 《タクティル・アーム・ボックス》1964
※実際の展示では触ることができません
《レインボー・エンヴァイラメント NO.7 レインボー・タクティル・ルーム+レインボー・エイムズ・ボックス》1969

本展のための新作


80歳を過ぎた今もなお、靉嘔は前衛的な創作活動を続けています。本展のために制作した新作のうち、《マイ・いっくに・フレンズ》では、ランダムに192色の絵の具を流し、これを人物に見立て、それぞれに「フルクサス」*のメンバーや批評家等、同時代のアートシーンを彩る自身の友人たちの名前を記しています。彼らとともに行った「イヴェント」*のドキュメントも併せて展示します。

《マイ・いっくに・フレンズ》2011 《にいよん YES NO》2011 《精衛・夸父・刑天―山海経図より―あるいは勇気》2011

アーティスト

靉嘔(あいおう)

1931年茨城県生まれ。絵画や彫刻、立体などさまざまなモチーフを七色の虹のスペクトルで覆う作品などで知られるアーティスト。60年代にはニューヨークで国際的な前衛美術運動である「フルクサス」のメンバーとして、人間の五感に訴える作品や周囲の環境を取り込んだインスタレーションを発表。1966年、出品作家の一人として参加したヴェネチア・ビエンナーレで、「虹のアーティスト」として世界的な名声を得る。国内外で精力的に個展を開くとともに、世界各地の国際展にも相次いで参加。ユーモアあふれる実験精神と、鋭い文明批評を背景に、パフォーマンスやハプニングなどを含めた幅広い分野で独自の世界を展開している。


Photo: Ichiro Otani


関連プログラム

[講演会]虹のかなたに行くまえに—デュシャン、フルクサス、靉嘔—

● 日時:2012年11月10日(土)14:00〜15:30
● 講師:平芳幸浩(京都工芸繊維大学准教授)
● 会場:ミュージアムスタジオ
※参加無料、当日先着順80名、開場時間13:30

靉嘔について、敬愛するマルセル・デュシャンや前衛芸術活動フルクサスとの関わりから考察します。

[パフォーマンス]虹の晩餐会

● 日時:2012年12月15日(土)18:00〜20:00
● 会場:45キャラントサンク(広島市中区袋町1-18)
● 協力:ギャラリー360°
※参加費4800円(飲食代込み)、要事前申込

伝説のフルクサス・イヴェント《バンクェット》が実現!
1962年のフルクサス結成から50年、靉嘔が、ナム・ジュン・パイク、オノ・ヨーコ、ジョージ・マチューナスらフルクサス・アーティストたちと行った、機知とユーモアに富んだパフォーマンスをスコア(指示書)に基づき再演します。料理とワインを囲む晩餐会(バンクェット)で行われる伝説のイヴェント。一期一会の機会をお見逃しなく。

申込方法
往復はがきまたはeメールで、参加者全員の氏名、年齢、代表者の住所、電話番号を明記の上、下記宛先まで送付してください。12月1日(土)必着
*1通につき2名まで応募可
*応募者多数の場合は抽選となります
宛先:〒732-0815 広島市南区比治山公園1-1
広島市現代美術館「虹の晩餐会」係
eメール:hcmca@hcmca.cf.city.hiroshima.jp

[ワークショップ1]アーム・ボックスをつくろう

● 日時:2012年11月23日(金・祝)14:00〜16:00
● 講師:松尾真由美(広島市立大学講師)
● 定員:30名
● 対象年齢:小学生以上
※参加無料、要事前申込

箱の中に様々なものをつめ、中身を手で触れて鑑賞するオリジナル・アーム・ボックスを作ります。

申込方法
往復はがきまたはeメールで、参加者全員の氏名、年齢、代表者の住所、電話番号を明記の上、下記宛先まで送付してください。11月13日(火)必着
*1通につき2組まで応募可
*応募者多数の場合は抽選となります
宛先:〒732-0815 広島市南区比治山公園1-1
広島市現代美術館「アーム・ボックスをつくろう」係
eメール:hcmca@hcmca.cf.city.hiroshima.jp

[ワークショップ2]にじいろに光るコマをつくろう!

● 日時:2013年1月5日(土)終日開催
※参加無料、申込不要

ホログラムシートを使い、回すとレインボーに輝くコマをつくります。

学芸員によるギャラリー・トーク

● 日時:2012年11月3日(土・祝)11:00〜12:00・14:00〜15:00、12月2日(日)14:00〜15:00
● 協力:ギャラリー360°
※要特別展チケット(12月2日のみ)、申込不要

担当学芸員が展示室を回りながら作品の解説をします。

開館時間:10:00~17:00 休館日:月曜日(※年末年始は、12月25日、12月27日〜1月1日は休館し、12月24日、1月2日・3日・14日は開館します)
観覧料:一般¥1,000(¥800)、大学生¥700(¥600)、高校生¥500(¥400)、小中学生・65歳以上無料 ※( )内は、前売り及び30名以上の団体料金
主催:広島市現代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会 協賛:ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン 後援:広島県、広島市教育委員会、広島エフエム放送、尾道エフエム放送